散らかった部屋と、ピカピカのシンク

春休み、最後の日曜日。
明日は、長女の高校入学式。

この一年、長女は本当によく頑張っていた。
毎晩塾に通い、黙々と受験勉強。
行間を読むのが少し苦手なこともあって、
中学3年間、誰かと遊びに行くような時間は、ほとんどなかったかもしれない。

うちには“子ども部屋”がない。
だから私と娘たちは、ひとつの部屋で寝ている。
けれど今はすっかり長女の荷物で占領されていて、
愛犬も加わったことで、私と次女はリビングで寝るのが日常になった。

あの部屋は、かつて女子チームの寝室だったけれど、
今は足の踏み場もないくらい散らかっている。
長女の荷物で、いっぱい。

片づけが苦手というより、「できない」のかもしれない。
そんなふうに思う場面も、正直ある。

年度末から年度初めにかけて、仕事は繁忙期。
家のことまで手が回らないまま、ふと気づけば、
卒業を終えた娘たちが、3月の半ばから毎日ずっと家にいる。

中3と小6だったふたり。
来週からは、高1と中1になる。

ある日ぽつりと、
「ゴミ、出してくれると助かるな」
「台所、少し片づけてもらえるとうれしいな」
そんなふうに声をかけた。

その少し前に、夫婦ゲンカがあって(苦笑)、
それを見ていたせいか、娘たちはふたりで話し合い、
少しずつ“家のこと”をやってくれるようになった。

役割分担は、次女がゴミ、長女が台所。
長女らしいと思ったのは、
寝室が散らかっているのは気にならないのに、
「ゴミは触りたくない」とはっきり言ったところ。

でも夕食後には、黙って台所を片づけてくれるようになった。
ときには40分以上かけて、ていねいにていねいに。
効率はよくないけれど、仕上がりは見事。
シンクがピカピカになっていると、つい「おぉ」と声が出てしまう。

不器用な長女。
その不器用さもふくめて、なんだか愛おしい。

次女の中学校入学式は、金曜日に終わった。
クラスのメンバーがどうだったかは、まだ半々といった様子。

長女はというと、新しい高校に知り合いがひとりもいないことが不安で、
口唇ヘルペスができてしまった。
…私も昔、よくそうなっていたな。あの頃と同じ。

春休みの終わり、ふと思った。
娘たち、ちゃんと成長してるなと。

進学という節目だけじゃなく、
日々のなかのささやかな変化からも、
その成長はちゃんと伝わってくる。

そして私は51歳。
娘たちと一緒に、私も育っているかな。
「年を取った」だけでなく、ちゃんと前を見ているかな。

春休み最後の日曜日。
本当は少しゆっくり過ごしたい気持ちもあるけれど、
朝からぎっしり詰まったToDoリストを前に、
今日もまた、バタバタと動き始めている。

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