桜が咲いていることに、あとから気づく春

朝3時、4時に起きる日が続いている。
年度末だから仕方がないと思っていたのに、新年度になっても変わらない。
相変わらず、静かな暗い部屋で目を覚ましてしまう。

年度末には「この先、どうなるんだろう」と不安だった。
年度始めは、慣れない環境に心も体もぐったりしていた。
たぶん、ずっと不安の中にいるのかもしれない。

夫とのお金のことでもめたり、
娘たちの進学がこれから本格的に始まったり、
自分の仕事の配属が変わったり。
この春は、これまでと違う種類の「変化」が重なっていた。

春になると、毎年心がざわざわして、
「もし死ぬなら、桜の下がいいな」なんて思ったりしていた。
それくらい、桜が心を動かす存在だったのに——
今年は違った。

「あ、桜が咲いてるわ」
それだけ。
「うわあ、きれい」と思う間もなく、
季節の移ろいに心が追いついていなかった。

そんな自分に気づいて、少しがっかりする。
心がときめかなくなることが、少しずつ増えてきた。
ああ、歳を重ねたんだな、と感じる瞬間。

でも。
まったく心が動かなくなったわけじゃない。
これまでとは違うものに、ときめきを感じるようになった。

変わっていく自分を、ちゃんと見ておきたいと思った春。

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